230703

 

小学生〜大学生までの間、MBTIが今くらいポピュラーだったら、私はもっと全然傷つかずに萎縮せずに屈折せずに生きてこれたのではないかと思えてならない この人は私が嫌いだからこんな言い方をするのかとか、なんで悲しそうな人やんわり無視して場が進行するのかとか、とにかく想像力がなさすぎて自分と性格や思考回路が全く違う人がいるってことをわからないせいで無駄な時間を過ごしたと思う。今となってはMBTIのSかJの人と接した時にダメージ受けやすかっただけだろうとなんとなく思っている。

 

週末 甲府に初めて行った 面白いところだった 七夕祭りのために商店街に飾りが釣ってあって、風が吹くたびに大雨みたいな音が鳴っていてとても良かった 音量も音質も良かった。

1軒めで『魚屋ちから』という 500円で薄いグラスの美味しい生ビールがたっぷり飲めて、4000円くらいで心ゆくまで飲める海鮮がとても美味しい店に行き、久しぶりに食べ物が美味しくて幸せでジーンとする状態になった 何年かぶりの気がする 竹酒というキンキンに冷えた竹で提供されて竹のお猪口で飲むスタイルの酒にもはじめて巡り合って飲んだ 竹の厚みとフチのやすられ具合?が飲むたびめちゃくちゃ気持ちよくてすばらしかった。店員がほのぼのと仲良しでみんな元気で、お客さんも活気があって、そんな風景を見たのがなんかとても久しぶりだったのでそれもなんかものすごく感動した 。

2軒めを探して徘徊していたら甲府のトー横みたいなところがめちゃくちゃ盛り上がっていた ピンクの照明の立ち飲み屋とうどん屋の立ち飲み屋(?)に若者がたくさんいて、賑わっている あそこで飲んでみたかった 地下街というサインを見て階段を降りたら埃っぽい暗い中で角の店だけOPENのふだがかかっているのを見つけて、例によって入り口から店内は見えないから一瞬躊躇したけど入ったら素敵なバーだった 『馬酔木』という店 55年からやってると言ってた気がする。最近はこれみて若い人が来たりもする、と大阪の人が作ったらしい地下街のZINE?を見せてくれたけどとても良さそうだった 読みたい どこで手に入るんだろう。途中でマスターがマカオの話に食いついてきて、ラスベガスに行った時の思い出とかも話してくれた マカオが99年までポルトガル領だったことを知らなかった。私は現代史を全然知らない 勉強したいと最近おもう

3軒めはスナック 東京から来たと言ったら常連さんがめちゃくちゃ喜んでくれて しまいには全部奢ってくれた 私がいつの間にかスナックを苦手じゃなくなっていることに感動した 慣れってこういうことなんだよな ママが貧血で座り込んでたのでヘム鉄をあげた 最初飲んでくれなかったけど、他の人がみんな帰ったあと飲んでくれて、そういうふうにするものなのか。と思った

 

次の日『一刀斎』という、満員なのに静かすぎる店で食べたカレーが信じられないくらい美味しかった 福神漬けとカレーとお米と温泉卵全部一緒に口に入れた瞬間 美味しすぎて でも静かな店だから何も言わずに完食した 皿の薄さも鶏肉の味と柔らかさと量も完璧に思えて あんなに幸せな時間も滅多ない また行けたら、オムカレーを食べたい

『ロッシュ』という喫茶店も行った 喫煙を大事にしている古き良き喫茶店 コーヒーゼリーは甘さゼロで1日3個限定だった この店の金土は23時まで営業してるというのがほんとにすばらしいと思った 夜遅くに喫茶店でコーヒーが飲めたら本当に素敵だといつでも思っているから 

 

もう東京で中途半端なお金を出して美味しくもないようなものを食べるのはあんまりやめようという気持ちになった 6000円とか出しても美味しくてジーンとするみたいなこと起きづらいと感じる なんとなく美味しい店でも野菜や皿の感じ、または常連や店員がなんか嫌な時も多いような 他人を萎縮させるような人って 最低だなーと思う

でも銀座で食べた牛タンはとても美味しかったけど

 

『推しの子』悲しみに暮れながらも11話まで見た。アクアが出てくると悲鳴あげてしまう 外見が優れていて才能があり何もせずみんなから好意を抱かれ、大人ともうまくやって成功するみたいな、そんな幸せしか描けないことは、本当に虚しいと思う。そしてそれは社会のせいだとも思う。日々分断がどんどん進んでいくような体感がある。もっと他人にヒドくしないと、他人の悲しみや存在に鈍感にならないと、みたいなムードがとても憂鬱だ

そのあと『スキップとローファー』を見始めて 境界を溶かすことの描写に涙した 違いに触れて、影響を受けて、何か空間を自分の中に獲得すること、人と接するときの中で一番幸せな時間 この物語の舞台が偏差値公立東京2位の進学校なのは、リアルすぎて苦しい 。

ギャグ描写が推しの子と違いすぎる  推しの子のツッコミは全部ステレオタイプを呆れた顔で吐き捨てるかたちをとっているんだけど、そもそもそれツッコミですらないか、ラクするなとしか言いようがない でもみんながわかるようなこというのが正義なんだろうな 結果的に既存の価値観の押し付け合いしか起こらない、不幸だ

 

『モラン神父』1961 ジャン=ピエール・メルヴィル 見て なんて優雅な時間!と思った こんな感情の微風を128分もかけてダラダラやる優雅さ 内容、恋愛の部分だけだと全年齢対象の携帯小説みたいな感じでもある 戦争と宗教のところあんまり理解できていない