230501

 めっちゃ書いたのに全部消えた。悲しすぎる。

  土曜の昼過ぎに初めて家から歩いて渋谷に行った。本当に天気が良かった 映画館に行くのに駅を介さなくて良いというのはかなり素晴らしいことだ 渋谷の街を駅と切り離して考えられるようになるのもとても良い 代々木八幡宮に初めて行ったら木が全部大きくて良かった。本当に最高のことは実は人とするよりも一人で感じた方が楽しい、と思ってた気持ちを思い出す散歩時間だった  

  最近外を歩くといつもいい匂いがする。さっきの日本橋は温泉の匂いがした。家の前の道はお花の匂い。日曜の夜はソアリンの香水と同じ匂いだった

 『中国女』見ようと思って映画館に行ったら間違えてて『1P.M.』だった。前半爆睡した。かなり気持ち良い睡眠と目覚めだった。ゴダールが演出つけるところをしっかりみたの初めてだったけど演出をつけてる時点でもう場の雰囲気が完全にゴダール映画になっていて、出演する人たちは現場でみんなあの雰囲気に持っていかれることでゴダール映画の登場人物としてすぐに存在してしまうというのが映像を見ただけでもわかった。教室のシーンは即興性が高すぎてすごかった。「あなたがこれについて考えながら喋って、このシーンがどういうものか考えて喋って」みたいな指示が多かった。でも言葉の抑揚まで細かく指示している時もあってそのときは歌のレコーディングをしてるときのプロデューサーみたいだった。指示してカメラが回ったら急にその場から去っていることもあった。とにかく現場の時点でマジカルだった。いくらでも見ていたかった。知らないバンドの無許可屋上演奏シーンも最高、バンドメンバーがパトカーに乗せられるところまでちゃんと撮っていてすごい。ものすごく身体的に映画を撮っている。それはそうだけどそのやり方が、思考と身体の使い方のバランスのセンスが異常に良い。ゴダールはまだ全然死んでないということが確認できて良かった。全然死んでないっていうか唯一無二すぎて ゴダールが死ぬ前に地球が終わると思う

 『レッド・ロケット』ショーン・ベイカー 2021

  すこしつまらないけど素晴らしい。清算の仕方が鮮やか。マイキーが自分で手に入れたと言い張っていたものは、実際はそうではないのでキッチリ返してもらう。交通費をあげるのは助け合いの心。欲望は推進力だが他人にとっては天災のようなもの。マイキーとストロベリーの関係を裁くのは滅茶苦茶簡単だし答えは出ているが人生はそういうこととは関係ないところにもある でもこんなことを言うのはかなり危険なので本当は言わないほうがいい。ショーン・ベイカー自身も批判を受ける覚悟はあるみたいに言ってたのはそういう部分だと思う 私的に、90年代を乗り越えるというのはそんなことを言い出さないことだというイメージがなんとなくある 

 『鍬と星』ジョン・フォード 1936

  私が考えてることが全部シンプルに映画になっていた。すごい 女は泣いて帰りを待つだけ、男達はみんな怖いと言う勇気がないから戦争を続けている、そんなに悲しいなら私結婚なんてしないわ。ダドリー・ニコルズの脚本は意味がわかんなくてすごい。『スカーレット・ストリート』の意味のわかんなさをいまだに気にかけている。この抜けた感じがとても好きかもしれない。最強の省略スキルの持ち主の可能性。他ももっと見て確認したい。女2人が酒場でバトって石投げてガラス割るシーンは最高。投げた後の酒場の客たちが何も言わずに突っ立っていてなんだこれって感じだった。演出なしなのかあえてあれにしてるのか謎。3人目の男は石を取り上げられていた。

フォードの30年代の映画『最後の一人』と『ドクター・ブル』も見たけど滅茶苦茶面白い。30年代のフォード最高ぽい

  THE1975の有明のライブには救われた。あの現代的な優しさは他に似たものを見つけたことがない。許すか許さないかの話をするのは本当に簡単だけど、人生はそういうこととは全く関係ないところにもある

  ルセラフィムの『UNFORGIVEN』許されざる者。カウボーイコンセプトのティザー写真が最高だった。こういうメッセージのために今のK-POPはある、善かは知らないけど必要でしかない。ルセラフィムは笑顔の感じが新しくて良い。笑えと言われてるのか言われてないのか気になる。ニヒルな笑いでは全くないのにその延長線上で勝ち取ったという感じの雰囲気がある笑顔をしてる。

나랑 저 너머 같이 가자 my “unforgiven girls”
あの向こうへ一緒に行こう あたしの"赦されざる少女たち"

나랑 선 넘어 같이 가자 my “unforgiven boys”
あの向こうへ一緒に行こう あたしの"赦されざる少年たち"

ムン・ドンウンとキャシーのこと思い浮かべてる。横一列で手を繋いでるサビのコレオ最高