20200729

 

13:40

11時から写真美術館にポルトを見に行った。写真美術館の白い内装の中でおおげさなサンバイザーをつけている職員の人たち。悪夢のような演出はこうやって現実で起こるんだね 

映画は良くなかったと思う。ずっとうろついてるだけの人が、「ポルトは小さい町だね」なんて言うとは思えない。一時の気の迷いだったって簡単に考えられるならそんなこと起きないはずだと思う。"消えないように傷つけ"合っていない限りは、目と目で見つめあったままで話し合えないと思う。メカスみたいなところで、メカスのすごさ再確認した。タバコの取り出し方と消し方にロマンがあるべきだと思う。思い切りのよさ、蟻地獄みたいな絶望とか、そういう色気がとにかく必要だ 私が見たポルトはもっと綺麗だった

 

このままでは惜しい気持ちだ から、今ウディアレン見に来た。ティモシーシャラメ!こんな絶対的アイドルってなんか、今時珍しい。とりあえず顔が見たい俳優。

さっき恵比寿の銀座に行った。加賀田がくれた本少し読んだ。人々が忙しなくしている朝の光景、往来、新聞配達、全部私の眼前にはないものだ 伝説みたいな光景だ 

 

21:35

『レイニー・デイ・イン・ニューヨーク』見て良かった。フロントガラスに反射する木の葉っぱのせいでほとんど見えないティモシー・シャラメの顔と、ふざけてるくらい降らせてる大雨と、3回繰り返すキスシーン。『若草物語』の出会いのシーンにも、『ポルト』のラブシーンにもなかったロマンがちゃんとあった。予定調和のように見せかけた全然予定調和ではないものだった。

大降りの中タクシーに乗っている時にも、ホテルのフロントでも、ホテルの部屋の中でも、美術館の中でも、ずっと同じような金色の光がみんなの顔を照らしているのがとにかく異常すぎた。ヴィットリオ・ストラーロの仕業らしい。母親からの"告白"のシーンと(部屋の中の照明はオレンジっぽい)と、2人が前を向いて馬車に乗るシーンで顔に当たる光のしらけたような白い光が、金色の光にあからさまに対比されていた。あんな告白なんてどうでもいい。そんなことで何かを思い直すなんて本当に馬鹿馬鹿しい。あのつまらない白い蛍光灯みたいな光は曇り空のせいなんかではないってことだと思う。あと一回だけ全部真っ青になるシーンがあって笑顔になった。

シャラメがピアノを弾きながら『Everything Happens to Me』を歌うシーンの顔の角度は、全てのパターンで100点ピッタリを叩き出していた。ダントツで一番すごいのは朝充電コードを巻き取る姿だけど、路地を歩く姿が全部素晴らしかった。ウディアレンを重ねて見るというよりは、全然ティモシーシャラメで最後まで振り切れた。初めに2人が大学を歩いてるところからカメラが本当に良い位置にあって、お兄ちゃんの家の導線とカメラの動き、美術館でおばさんに見つかるところ、部屋でピアノを弾き終えたシャラメが窓際に向かって歩くところなど、シンプルな最高が積み重なって気分が良かった。このときのセレーナ・ゴメスの脚が本当に綺麗だった。『ポルト』のラブシーンで何かを示唆するように絡まり合う脚なんかよりずっと綺麗だった。『ウォールデン』のラストシーンの芝生の上の脚とか、『クレールの膝』もそんな感じな気がするけど、まっすぐ両脚に重心をかけて立ってる時の脚が一番美しい。

カーライルホテルのバーの壁のイラストが1億点!と思って調べたら、"絵本「げんきなマドレーヌ」で知られる、ルドウィッヒ・ベーメルマンスの絵だ。双子の女児ら家族と同ホテルに住み込んでいたロベール・ユオ元総支配人が呼びかけ、1年半かけて描かせたのだという。"と書いてた。最高すぎる絵だった。生で見たい

ラストに関しては、適当すぎる!雑!badって感じだけど、『デッド・ドント・ダイ』でセレーナ・ゴメスの生首を掴んでいるアダム・ドライバーの姿を思い出せば、オッケーって感じがしました。

BTSの『Stay Gold』は、おそらくこの映画でみんなの顔に当たる金色の光についての曲だと思います。

今日見た映画の主人公両方井田さんみたいでした。

 

 

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