20201011

 

BTS "MAP OF THE SOUL ON:E" 10/10-11

 

開催決定当初は会場にお客さんを入れる予定だったコンサートだけど、韓国で状況が悪化したので結局無観客で行われた。

本来たくさんの人がいるはずである観客席に誰もいないさまを、どのように演出するのかというのがbighitの腕の見せ所だと思っていた。結論としては、SMがやっているBeyond liveでもあったみたいに、部屋にいるファンの顔がzoomのギャラリービューのようにバックスクリーンにたくさん映し出されるというものだった。さらに観客席の上にも大きなモニターが設置されていて、そこにもたくさんのファンの姿が映し出された。結局こうするしかないと思えばそれはそうなんだけど、ちょっと残念だった。

コンサートを通して、いつも完璧なアンサーを持ってコンテンツを発表するbighitの、混乱みたいなものをすごく感じた。なんか、この会議でめちゃくちゃ大きい喧嘩とか起きてそう みたいな感じ。「公演をする人」としてBTSメンバーの舞台裏の姿までもを信じがたいほどに完璧にプロデュースしてきた運営が、「公演をすることができない状況」に対して出すアンサーとしての演出としては少し甘いものになったと思う。無観客になることが決まってからはとにかく時間もなかったし、そんな中で全米1位を出して注目度が上がっていて、焦るしかない状況でちゃんと焦る人たちの人間らしい姿を見たとも思える。そもそもこれまであんなに調和の取れたことばかりがあったのが奇跡だったのだ、と思った。

もともとやる予定だったスタジアムツアー用のキューシートを使いながらもオンラインのために再構築するというのは本当に難しいことだったと思う。序盤は最高な気持ちで見られていたものの、後半に行くにつれて「?????」になってきて、最後には首を傾げ続けることになってしまった。

1日目にはJIMINが最後のメントで泣いていた。私には韓国語がわからないので、映画館の大きな画面に映し出されながら、わからない言葉を話すJIMINの顔のアップをひたすらにじっと見ていた。人が泣くときの顔の筋肉の動きがこんなにも恐ろしくて不自然で複雑だということを久しぶりに思い出した。大きな目に涙がどんどん溜まっていった。JIMINが喋ったり口ごもったりしていた3分間くらいがずっと、緊張に包まれながら本当に気高くて、言葉にならないくらい美しい映像だった。

 

1 ON

オープニングの映像は本当に良かった。ONの2つ目のMVをアニメにしたような映像。山みたいなところから出てくる7人。(後に砂漠だとわかった)マーチングの演出は、普通。ONの振り付けをしたダンサーのシエナ・ララウという人が、"BTSと一緒にすごいものを準備していたけどできなくなってしまった"とツイートしていた?のが話題になっていたことを思い出す。彼女がいたら本当によかっただろうなと思って既に悲しかった。たくさんの人の前で歌ってこそカタルシスを得れる曲だと思うからつらかった。JUNG KOOKの落ちサビなどは特に。

ONのJIMINの一番すごいところ、この日もめちゃくちゃ凄くて、エネルギーの大きさを感じた。

 

2 N.O.

謎アレンジ  Everybody say NO!とアイドルが歌ってくれるのはいつだって嬉しい 

NOを逆にしてONにしよう!というのはJUNG KOOKのアイデアらしい

좋은 집 좋은 차 그런 게 행복일 수 있을까?

(良い家 良い車、そんなので幸せになれるのか?)

→Answer: lovemyself という完璧なストーリー。

このあとのダンスブレイクすごすぎた。収録とかの時にONだけであんなに息上がってたのにどうしたらこんなことできるか一切理解及ばない

 

3 We are bulletproof PT.2

謎アレンジ JIMINのWe juss sing it likeが特に謎アレンジされていて怒った

 

VCR1

とても良かった。VCRはワールドツアーのために撮影されたのをそのまま使ってるんだろうなと思った。このVCRの世界観の地続きで、ひんやりした夜の空気と光と熱狂の中で、アルバムの内容を表現しきれたら完璧なパッケージになっていただろうと予想するのは簡単だった。本編で"デビューしてから7年間の歴史に残る成長物語"を完璧に、過剰な程にエモーショナルに描き尽くして、アンコールで出てきた時には無邪気に満面の笑顔を浮かべている7人の姿が想像できた。悲しすぎた。

 

4 Intro: Persona

RMのヘアスタイリングメイクがすべて美しすぎてときめいた。この曲も、たくさんのファンに囲まれながら歌うことに大きな意味があったと思う 2日目は本当に辛そうな顔をしていた 寝てなそうだった。

 

5 강남자 / Boy in luv

「되고파 너의 오빠(なりたいんだ 君のオッパに)」なんて言ってることと見た目が全然一致しなくてすごかった 全然みんなこんな怖い顔で歌う内容じゃない歌詞だ 最後のサビのコレオ本当に本当に最高 この曲でうしろの校舎のセットがめちゃくちゃ燃えてたの今考えるとかなり面白い

 

MC

みんな綺麗な顔

 

6 Dionysus

謎アレンジ SUGAのラップのところでかなりテンションが上がった 最後のサビで台にのってるところ毎回笑ってしまう せっかく学校をしっかりと燃やしたのにピンクとか緑に光っていた なんで

 

VCR2

 

7 Interlude:Shadow

良かった I wanna be a rockstarとSUGAが歌っているのが本当に嬉しい 大きな会場で大きな音でこの曲を聴きたい

 

8 Black Swan

やる度に完成度が上がっている気がする曲 SONGS、tonight showくらいから滅茶苦茶すごくなっていて最高 曲の後にJIMINのソロダンスパートがあって、もう言葉は何も出てこない美しさだった 

 

9 욱 UGH!

闇ボクシングだった ボクサーのラップライン3人 可愛かったが tearくらいの演出で良かった なんでコスプレ 친구でも思ったがなぜコスプレ 最後に出てくるJ-HOPE 超クールだった 最狂ボクサー でも それ今じゃない

 

10 00:00 Zero O'Clock

セットも振り付けも演出も謎を極め倒した。전못진の衣装そのままで演出同じで歌ってくれたほうがもはやよかった?

 

VCR3

滅茶苦茶良かった。この映像だったら毎コンサートで見ても絶対飽きないしDVDでも飛ばさないと思った。ほぼ完璧だった

 

11 시자 My Time

ひとつも意味わからなかった。JUNG KOOKは凄かった。花道を踊りながら移動するところが見せ場のようだった。虚しかった。

 

12 Filter

予想外の演出と、振付師の顔がどうしても見えてきてしまうコレオ。途中ずっと帽子を被っていたので怒ってしまった。マネキンが置いてあるだけでも戦慄したけど、そのマネキンがミニスカートを履いているなど明らかに女性であったのが嫌だった。

女性のマネキンから服を取り着る→脱ぐ→ダンサーからサングラスや服や帽子を受け取り装着する→脱ぐ→何かしらのイリュージョンで衣装が一瞬で全て変わる

というのが一連の演出であって、それを誰かから与えられたものを借りてではなく自分そのものであろうというメッセージと取ることは全然可能だった。でも、JIMINがJIMINとしてそこに立っているだけで、この演出で伝えようとしたことはすべて叶えられているのであって、JIMINという存在のすごさはそもそもそこにあるのであって、そんなことをわざわざ初めから説明させるなんて本当に最悪だと思った。JIMINのダンスがこの上ないほど素晴らしいことには違いなかった

 

13 Moon

セットに品がなく、JINが自分を月に例えて書いた曲でJINが星の王子様のコスプレを(あからさまに)しているのはあまりに想像力に欠けると思って本当に悲しかった 星も月も地球も、表現する方法はほかにいくらでもあったはずだ

 

14 Inner Child

大人の自分が子供の自分に語りかけているという設定の曲で子役をステージに出すなんて言語道断すぎる そんなの曲の中で既に言ってるからそれで済む話だ 言葉がわからない人が聞くから演出で説明してあげようとしている?????世界中のARMYは韓国語が分からなくたって曲の内容なんて全部分かった上で見るんだから必要ないよ わかってなかったとしても、言葉がわからなくても、伝わることなんていくらでもあるよ

 

15 Outro:Ego

もう悲しみ疲れてきて一番楽しみにしていた曲だったけどよくわからない感情だった。車乗ってる必要あったのかな なかった

 

16 작은 것들을 위한 시 Boy With Luv

BANG BANG CON:THE LIVEと同じ演出と同じアレンジ ひかる傘を使ったパフォーマンス この辺からもうステージの使い方が雑になっていた 仕方なかったのだろうけど見たくない姿だった

 

17 DNA

なんでこの曲がセトリにあるんだーー演出はリアルタイムVRみたいなやつだった 誰でも思いつくこと

 

18 쩔어 DOPE

VRみたいなやつでエレベーターに乗っていた。乗る必要について誰も考えてないのか 乗る必要ない オンラインでやる意義にだけフォーカスが当たっている野蛮な演出だ 一番やってはいけないことではなかったか 大切なことを見失っているところを見たくなかった

 

19 No More Dream

謎の火柱?が画面に写っていた なんだったんだろう 7人のパフォーマンスは当たり前みたいに凄かった 気迫があった

 

ec1 Butterfly

背後のスクリーン一杯に映し出されるファンの顔の前で歌っていた。

 

ec2 RUN

変なダンスが一瞬で流行して7人が変な動きをしていた。serotonin BTS

 

ec3 Dynamite

グダグダの入り で なんでこうなったんだろう こんなこと、、ありえないはず、、

 

MC

もはや何を話していても悲しすぎた 1日目にはJIMINが泣いていた 2日目に至ってはJINは本当にずっと心ここに在らずだった 絶対笑えないって思ってる人の顔だった

やっぱりオンラインと実際会うのでは全然違うしプロモーションをしているときみたいに感じられたし楽しくなかったというようなことをみんなが口々に言っていた

 

ec4 We are Bulletproof:the Eternal

この曲が本編のラストになるならわかるけどアンコールのラストというのがいまだに謎だ。JUNG KOOK「We got to heaven」はたくさんの人の熱狂で包まれた静かな夜に歌われていてこそはじめて効力を発揮するから、虚しかった

 

「オンラインコンサートだからオンラインの特性を生かしたコンサートにしなければならない」というのは半ば強迫観念のようなもので、実際そんなことはなかったはずだと思う。それが前回のオンラインコンサートが視聴人数でギネス記録を取ったことと、Dynamiteの全米1位で、"オンラインコンサートで世界一凄いことをやらなければならない"という考えにコンサートが貫かれてしまっていたように見える。それは一つの思い上がりだと思う。技術を使うことが重要なのではない。重要なのは7人をいかに舞台の上で輝かせるか、世界観をどう構築するかだけだと思う。そんな簡単なことを見失ってしまったまま開催されたみたいな雰囲気のあるコンサートだった。それはbighitが今まで慎重に避けてきたことだったように思う。「コンテンツを丁寧に作る」技術は、重要なことが何か常に見極め続ける技術そのものだったと思う。

2日目の7人の顔は本当に暗かった。この世の終わりみたいな顔だった。顔が白くて、いつ誰が泣き崩れて膝をついてもおかしくないみたいな緊張感だった。誰もいない観客席をみて空虚にならないはずがない。そんなことは承知の上で、むしろそこから全てを始めて、その不在にだけフォーカスするべきだったのに、大きく見せようとしたことで失敗していたと思う。

ツアーの演出をStufish – Stufish Entertainment Architectsがすると話題になっていて、今回のコンサートにどんな風に絡んだのかはよくわからないままだけど、この会社がBTSの存在を完全に解釈し違えている可能性があると私は思った。"K-POPナンバー1のボーイズグループ"という捉え方ではあまりにも不足する。「Love yourself」シリーズのアートワークからもわかるように、世界観がアメリカナイズされていないところが芯の魅力だったのに、スタートの演出にしても、FilterにしてもMoonにしても、ミュージカルのような、わからないけどブロードウェイみたいな?アメリカンな演出をされていたと思う。安直で大きな装置に支えられた演出。それが呼び起こす興奮もすばらしさももちろんあるに決まってるけど、BTSの凄いところはそんなものがないのにもかかわらずオリジナルな高揚感を描き出すのに成功していたことだった。あの高揚感と幸福感、浮遊感こそがBTSを唯一無二にしていた大きな要素だった。そんなの多分全てのファンがわかっていることだと思う。今回のツアーが実際行われていた場合のほうがもっと酷かったのかもしれないと考えたりもする。でも、ツアーをやっているうちにそれが正しい方向だったとわかるようになっていたのかもしれない。Loveyourselfシリーズのコンセプトに合った高揚感があのスタイルだっただけで、Map of the soulでは新しいスタイルを確立させられていたのかもしれない。

 

とにかく全編を通して制作チームの混乱を肌で感じた。本人たちはそんな雰囲気の中に置かれながらできることを100%、200%やろうとしていたと思う。その情熱がスクリーン越しでも十二分に伝わってきた。そういうドキュメンタリーとしてはあまりにも生々しくてリアルな質感のコンサートだったと思う。

 

韓国では一昨日?からサイン会や公開収録ができる警戒レベルに引き下げられたらしいので、次のアルバムと"カムバック"の活動が7人にとって本当に幸せなものになることだけを祈っている

 

JIMINお誕生日おめでとう

f:id:anmin_shitai:20201014135359j:image